火葬場へ移動する
葬儀・告別式が無事終わり、ご遺体は火葬場へと運ばれます。火葬場に行くのは基本的に親族です。
親族以外でお骨を拾ってあげたいと思う方は移動する配車や料理の数の都合があるので、通夜を目安に遺族へ参加することを伝えましょう。
持ち物についての注意点
位牌や遺影の他に必ず必要なのは死亡届を役所に提出したときに交付された「火葬許可証」です。火葬後は日付が記入されて「埋葬許可証」となり、この書類は基本的に再発行は認められていないものなので紛失しないように気に留めておきましょう。(※紛失した場合は手続きに膨大な時間がかかります)
移動についての注意点
火葬場へはハイヤー・マイクロバスなどで乗り合わせて行きましょう。個別で自家用車で行くとなると、
- マイクロバスと違う道を選択し、道路渋滞になって到着時間の大幅に遅れる
- 火葬場での駐車場が満車で駐車できない
- 火葬場の駐車場が空いていなかったため、無理な駐車をして他のマイクロバスの迷惑となる
- 近くの駐車場を探しているうちに火葬が終わってしまった
などの問題が生じてしまいます。当日は火葬場の予定も詰まっていますので準備や時間を考慮して行動しましょう。
〜火葬場係員をはじめする心付けについて〜
- 火葬場係員・運転手・控え室係員さんなどへの心付けはたいていは葬儀社が立替払いにて行ってくれます。金額は三千〜一万円程度、地域によっては一切不要の場合もあるので葬儀社に相談をしておきましょう。
- なお、自分で渡す場合は小型の白無地か不祝儀用の袋(あて名は書かなくてよい)に入れて火葬がはじまる前に渡します。
火葬前、火葬中の流れ
火葬場に到着すると棺は炉前に安置され、火葬となります。時間は約1時間くらいかかります。その間(火葬中)は食事または軽食を取りながら収骨まで故人の話をしながら過ごします。
それぞれの形式の流れは以下の通りです。
仏式の流れ
下記はあくまで一例です。地域や宗派などにより異なる場合があります。
仏 式
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炉前に安置 |
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神式の流れ
下記はあくまで一例です。地域などにより異なる場合があります。
神 式
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炉前に安置 |
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キリスト教式の流れ
下記はあくまで一例です。地域などにより異なる場合があります。
キリスト教式 |
炉前に安置 |
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元来、キリスト教は土葬文化なため儀式の形式や名称など決められたものはありません。
(カ)・・・カトリック、(プ)・・・プロテスタント
収骨をする
火葬が終了すると、火葬場係員さんより収骨の案内があります。先ほどの炉前に移動すると炉が開いてお骨が上がってきます。
収骨の方法はひとつのお骨を二人一組になって箸で挟み、骨壷に納めます。この風習はいろいろな説があるようですが、その一つに「箸」と「橋」が同音であることから「この世からあの世への橋(箸)渡し」をするというものです。足の骨から上半身の骨に向かって拾い上げ、最後に故人ともっとも血縁の深い人(通常は喪主)がのど仏の骨を拾って収骨が終わります。
収骨した骨壷は意外と重さがあるので喪主が高齢の場合や女性の場合は男性が代わって持つようにしましょう。また、骨壷と一緒に「埋葬許可証」が白木の箱に納められているので確認しましょう。
【仏式】 遺骨迎えと(繰り上げ)初七日法要
火葬が終わって自宅に戻ると、葬儀社の人が遺骨・遺影・位牌・仏具を飾るための「後飾り祭壇(中陰壇)」を設置してくれます。
喪主・遺族は家に入る前に塩と水で身を清め、遺骨・位牌・遺影を祭壇に安置し、遺骨迎えの儀式「還骨法要(かんこつほうよう)」を行います。
浄土真宗やキリスト教では死をけがれと考えないのでお清めは行いません。
また、最近では本来は亡くなった日から数えて7日目に営まれる法要である「初七日法要」を、
- 葬儀・告別式と数日しか違わない
- 遠方の親族などが再度来訪する手間を考慮する
という理由から「還骨法要(かんこつほうよう)」と併せて行います。
お坊さん(僧侶)が読経・焼香を行い、その後喪主から始めて全員が焼香を終えると葬儀がすべて終了となります。
【仏式】 精進落とし
還骨法要(かんこつほうよう)、繰り上げ初七日法要の後は精進落としの席を設けます。お坊さん(僧侶)やお世話になった方をもてなし、故人を偲んで会食する席です。
最上座にお坊さん(僧侶)、お手伝いをしていただいた方、故人の親しい友人などという順で座り、喪主と遺族は末座に座ります。
進行は喪主または遺族の代表がお礼の挨拶をし、続いて遺族の長老格などの人へ「献杯(けんぱい)」の発声をお願いします。なお、結婚式と違ってご不幸事につき「乾杯(かんばい)」と言わないように気を付けましょう。
1時間〜1時間半をめどに喪主または遺族の代表が挨拶に立ち、お開きとします。
お坊さん(僧侶)が精進落としの席を辞退した場合は、「御膳料」(相場は一万円程度)を渡しましょう。またお坊さん(僧侶)自ら来場した場合は「御車代」(一人につき、5千〜1万円程度)も渡します。こちらについては地域によって異なりますので葬儀社に相談してみましょう。
【神式】 帰家祭、(繰り上げ)十日祭、直会の儀
神式では火葬場から戻ったら、喪主・遺族は家に残っていた神官にお祓いをしてもらい、手水と清めの塩を振りかけて身を清めてから家の中に入ります(帰家修祓の儀)。その後、葬儀が無事終わったことを奉告する「帰家祭(きかさい)」を行います。仮霊舎(かりのみたまや)に遺骨と霊璽(れいじ)を安置し、遺影、神饌(しんせん)などの飾りをつけます。
また、本来は亡くなった日から数えて10日目に営まれる「十日祭」を仏式同様繰り上げて「帰家祭(きかさい)」と併せて行います。
神主さん(斎主)が祭詞奏上を行い、神主さん(斎主)・喪主・遺族が玉串奉奠、一同拝礼をして葬儀が終了となります。
その後は、仏式の精進落としにあたる「直会の儀」を行って、神主さん(斎主)や手伝いの方などをねぎらうため席を設けます。進行は仏式とさほど変わりはありません。
【キリスト教式】 遺骨迎えと遺骨の安置の特別な儀式はない
キリスト教では遺骨迎えの儀式や後飾りはありません。自宅に戻った遺骨は、小机に白布をかけ、遺影や燭台、十字架、花などと一緒に安置することが多いようです。
安置後はお世話になった方々とお礼として軽食や茶菓などでもてなします。
葬儀後の事務処理・引き継ぎ
葬儀後、お手伝いをしていただいた人から葬儀事務の引き継ぎをします。できれば精進落としが終わった後にしておきます。
主な引継事項は、
- 会葬者名簿、弔問客の名刺
- 香典、香典帳
- 供物、供花の記録帳
- 弔辞、弔電
- 支出金の領収書
- 各種請求書
- 会計の収支記録
などを受け取ります。
葬儀社、斎場、仕出し店などへの支払いは請求書が届き次第、見積書と照らし合わせて間違いがないか確認してから早めに支払うようにしましょう。
葬儀後のあいさつ回り
葬儀を執り行ってもらった寺院、神社、教会へは翌日か翌々日に喪主がお礼に行きます。また葬儀当日にお布施などのお礼をしていない場合はここで渡します。お礼の金額が分からない場合は葬儀の前に直接宗教者に聞きましょう。たずねても提示してもらえなかった場合は葬儀社に相場を聞いてみます。
お礼を渡すときは奉書紙に包むか白無地封筒に入れ、
- 仏式・・・・・・・・・「御布施(おふせ)」
- 神式・・・・・・・・・「御神饌料(ごしんせんりょう)」
- キリスト教式・・・「御花料(おはなりょう)」「献金(けんきん)」
と表書きして渡します。
また、葬儀当日お世話になった方へは初七日までに喪主がお礼のあいさつに直接出向くか御礼状を送ります。
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